…とは言えこれに関しては僕も今現在研究中のテーマの一つなので,とりあえずは「今現在僕が持っているノウハウ」と,「それによって構築されているStudio Allegrettoのモニター環境」の話を絡めながら話を進めていきたいと思います.おそらくこれまでのFavoritesの中では最長の長文になると思いますが,肝を据えて読んでください.きっと参考になるはずです.
設置場所の選定とチューニング
実際にスピーカーを置くとなると、何処に置けばよいのか分からないことは結構あると思います.特に個人ベースの宅録環境となると結構おざなりに置かれることが多いのですが、DTMしかやらないと言うならともかく(本当はそれも良くない)、本格的にレコーディング〜ミキシングの工程をたどるのなら、スピーカーの置き方も気をつけたいところ.
設置場所として理想的なのは土台がしっかりとした台の上。ジェラルミン製等のスピーカースタンドが用意できれば最高ですが、さすがに高いので(笑)何かしらの土台を探すことになります.入手が比較的簡単かつ土台として理想的なのは、ブロック塀などに使われるコンクリートブロック.(断面に3箇所穴が貫通してるアレ) これぐらい重量があればスピーカーの振動が伝わることもありません.ただ、フローリングの床などに直接コンクリを置くとおそらく引越しのときに大家にアッパーカットを食わされる(笑)ことが予想されるので、床とコンクリの間には何かしらはさんでおいたほうが良いでしょう.
しかしまぁ現実的な線としては机の上とかラックの上とか、どうしてもスピーカーの振動で設置台がビビってしまう設置場所になってしまうと思われます. この「スピーカーからの振動伝播」はスピーカーユニットへの振動のフィードバックになり,結果的にはスピーカー自体の異常振動を引き起こします. コレが起こってしまうと,中域や低域といった「比較的エネルギーの大きい」成分が更に増幅され,音のスピード感が失われたり,中低域の定位・分離特性が悪くなってしまいます.
コレを改善するには,スピーカーからの振動伝播を最小限に抑える・・・つまりはスピーカーと設置台との設置面積をできるだけ小さくしてエネルギーの伝播力を抑えるのと,スピーカー自体が設置してある場所に防振対策を施して,振動のフィードバックを最小限にします.これの方法はイロイロありまして,まずとっかかりとしてやるのが「下に10円玉を敷く」と言う方法. 設置面積が「スピーカーの底面積」から「10円玉4枚分の面積」に一気に減少するので,コレだけでもずいぶん改善されます.また防振対策と言う意味では,市販の防振ゴム(NBRのそれほど強度の高くないもの)を敷いておけば良いでしょう.
スピーカーの接触面積を極限まで減らす…理想は点接触ですので,市販されているオーディオ用インシュレーターの大半は円錐形状をしています.別にわざわざ専用のインシュレーターを買ってこなくても,ちょっと金属加工に自身のある人だったら円錐の金属塊(東急ハンズなんかで売ってます)を買ってきて,先端をR5ぐらいにゴリゴリと削ってやれば良いでしょう.
更に面倒くさがりな私がやっているのはコレ↓

NBRの防振ゴムの上に5円玉を敷き,その上にφ5程度の金属球(近所のユザワヤで購入 10コで180円ナリ)を乗っけてその上にスピーカーを設置しています.たったコレだけのことですが,効果は絶大. スピーカーからの余計な振動伝播を遮断してくれます.
左右位置の調整
さてお次に左右のスピーカーの間隔ですが、大体リスニングポジションから左右のスピーカー、そしてスピーカー同士をつないだ仮想線で形成される三角形が一辺1.5m〜2mぐらいの正三角形を描くぐらいが理想になります…が、実際のところこの理想位置に置けることのほうが少ないでしょう.もし巻尺か何かを持っていたら,距離を測りながら設置してみてください.意外と「1辺1.5m」と言う距離が,長く感じるはずです. Studio Alegrettoでは,この距離を約1mになってました.ちょっと理想距離からは短いですが,そもそもリスニングポジションからスピーカーまでの距離が稼げないのと、一応正三角形は描けているので,とりあえずは問題なしと判断しています.
ちなみにスピーカーに角度をつける…要はリスニングポジションに向けたほうが良いかどうかですが,とりあえずはスピーカーには向きをつけ,リスニングポジションに向かうように配置したほうが良いと思われます.コレは後述する高域の直進性の関係で,スピーカーの間隔が広がれば広がるほど高域がアサッテの方向に飛んでいく率が増えてしまうので,スピーカーの角度に関しては少々シビアになってでも向きをつけておいたほうが「良い」と私は思っているのですが…逆に大音量再生が前提だと,高域がうるさくてしょうがない可能性もあります.
スピーカーの設置高さ
左右位置が決まったら次は高さの設定(本来はこっちが先だろ、と言う突っ込は入れないでください。リライト順序の関係なんです)理想系は「イスに座ったリスニングポジションにおいて,ツイーターの高さが目線…耳の穴の高さに大体同じになる高さ」で、具体的には1.2m〜1.3m程度と言うことになります.スピーカーの音特性は,高域ほど直線性が強く,低域ほど拡散しやすいというのは前述していますが,これを「スピーカーの音軸からの位置ズレ許容度」と言う観点で見ると,高域ほどシビアな位置を要求されると言うことになります.
但し、この設置高さ1.2m〜1.3mと言うのは、一般的な家屋や部屋では致命的な問題を引き起こすことがあります。具体的には床〜天井間の定在波なんですが…この話はしだすと長いので次回に回します。とりあえず今は「座った位置の耳直線状にツイーターが来るようにスピーカーを置く」事を最優先で考えましょう。
Studio AllegrettoにおけるMSPは,ツイーターの高さを合わせるために,横倒しにしています.サンレコなんかを読んでいると,「天地逆でも良い」と言う記述も見られますが…どうなんでしょうかねぇ. ウチはそもそもスピーカーの設置場所に高さが望めない(ラックの関係上)ため天地逆は無理なんですが…ツイーターの軸線位置が同一の場合,スピーカーの向きが上下正常,横倒し,天地逆のどれがもっとも望ましいかと言うブラインドテストもやってみても良いかも知れませんね.(この文章を書いた直後におさる氏に指摘されたんですが,横置きはあまりよくないとの情報も…ただモノラルスピーカーでバッフル穴の位置が定位に影響すると言われても…)